自然とデジタルが調和する北海道の逸材発掘プロジェクト

塾長のごあいさつ

塾長挨拶

学校教育との相乗効果を経て不思議を追求することができる人材を育てていきたい

 皆様におかれましては、平素より旭川高専ならびに北海道ジュニアドクター育成塾への格別のご理解と支援を賜り、誠にありがとうございます。

 旭川高専では、JSTの委託を受けて2019年度より北海道で初めてとなるジュニアドクター育成塾を企画・運営させていただいております。学校教育とは違った切り口で子どもたちを育て、科学に関する純粋な気持ち、興味関心を語ることができ、学校教育との相乗効果を経て不思議を追求することができる人材を育てていきたいと考えております。

 2022年度は、昨年度の第一段階教育プログラム受講者40名より選抜された第二段階教育プログラム受講生11名と、第一段階教育プログラム受講生35名が本事業に参加しました。2020年2月ころから続くコロナ禍の影響により、予定していた対面・オンラインのハイブリッド講座がオンラインのみの講座の実施となることもありました。オンラインによる「遠隔授業」は、これまでの経験により教員スタッフおよびメンターにノウハウが蓄積され、受講生も特に違和感なく授業を受けておりました。

 第一段階教育プログラムの体験型講座は、ハイブリッド形式で行いました。オンライン希望者には、実験キットを送付し、自宅で実験を行うことができるよう工夫を行いました。対面の受講生とオンラインの受講生が、画面越しに子どもたち同士で積極的に交流する姿がありました。場所を問わず受講生は積極的で学ぶ姿勢が素晴らしいという印象を強く受けています。そして、その陰にはグループディスカッション等を支えたメンター(旭川高専の学生)の協力があり、彼らの力が非常に大きいことを実感しました。また、施設見学は、感染対策を行いながらバス2台を利用し、一泊二日の工程を実施することができました。宿泊を伴う旅行では、講座以外の自由な時間が多くあるため子供たち同士の「興味の連鎖」と「他者との交流」が自然と起き、興味関心・コミュニケーション能力などが養われました。

 また、第二段階教育プログラムでは、受講生が科学に向き合う真摯な姿勢を感じました。受講生の興味関心にできるだけ近い分野の教員を指導者とし、メンターのサポートのもと研究を進めました。その結果、自ら設定した研究を進め、小学生・中学生とは思えない考察の深さで、彼ら自身の成長と科学を楽しむ姿勢がしっかり伝わってきました。

 我々は本事業の授業設計共通方針として「教えすぎない」「他人に自分の考えを伝える」「わからないことを楽しむ」といった姿勢を貫いてきました。その思いが伝わり、成果発表会では自分の成長や将来やってみたいことを自分の言葉で対面または画面越しに緊張しながらも楽しそうに語っていました。子どもたちの成長には驚かされるばかりです。本事業の受講生は、ただ楽しかったではなく、答えのない問題にどのように取り組めばよいか、不思議、もう少し考えたい、あれどうなっているのだろうと自ら学ぶ姿勢をしっかり身に着けていることを感じました。

我々は受講生の学校での学業成績をまったく知りませんが、受験勉強等で科学的関心が薄れる前に、最先端の科学や工学を子どもたちに早期に伝え、将来の目標を持つ意義は大きいと思います。

本事業を遂行するにあたり、教育関係者や記者および企業の皆様からも激励をいただきました。心より御礼申し上げます。また、受講生の保護者の方からお礼のメッセージを複数いただきました。本当にありがたく、支えてくださる皆様のご期待に応えるよう精一杯頑張ってまいります。今後も一層のご支援を賜りますようお願い申しあげます。

令和5年3月
北海道ジュニアドクター育成塾長
旭川工業高等専門学校 篁(たかむら)耕司